国立国会図書館から引用

道路整備5カ年計画

昭和29年5月20日 閣議決定

道路整備費の財源等に関する臨時措置法(昭和28年法律第73号)第2条第1項に規定する道路整備5カ年計
画を次のとおり定める。
 道路の整備の事業の量
(1) 一級国道の改築
   道路      1,800Km
   橋梁        38〃(約800橋)
   舗装      2,110〃
(2) 二級国道の改築
   道路      1,400Km
   橋梁        36〃(約700橋)
   舗装      1,180〃
(3) 主要地方道(道路整備費の財源等に関する臨時措置法第2条第1項に規定する都道府県道等を定める政令(昭和29年政令第73号)第1項第1号に規定する道路)の改築
   道路       2,200Km
   橋梁         57〃(約700橋)
   舗装         910〃
(4) その他の地方道(上記政令第2号に規定する道路)の改築
   道路       4,630Km
   橋梁        88〃(約1,200橋)
   舗装         540〃
(5) 修繕等
   舗装補修        106億円
   橋梁補修        33 〃
   特殊改良        43 〃
   災害防除        38 〃
   維  持        24 〃
(6)機械費         57 〃
(7) 調査費          4 〃
3.参考資料
(1) 5ヵ年計画策定の目標
 現下の道路交通状況に鑑み,国道地方道を通じて道路を完備するには巨額の事業費を必要とするが,昭和29年度以降5ヵ年間における揮発油税収入額を勘案して,当面の道路整備5ヵ年計画として事業費2,600億円(国費1,680億円)をもつて差し当り緊急を要する道路の整備を行なうものとする。
(2) 道路整備の基準
 イ ー級国道
  (イ) 道路改良
   普通貨物自動車の交通不能ヵ所(21Km)を改良し交通可能にする。
  その他の未改良区間については,日交通量概ね200台以上のケ所で,著しく交通の障害となつているものを交通の現況を勘案して改良する。(未改良延長の約30%)
  (ロ) 踏切除却
   日交通量概ね1,000台以上1日遮断時間2時間以上程度の危険踏切を立体交差に改良する。
  (ハ) 橋梁整備
  荷重制限を行なつている長大橋は,殆んど全部改築する。荷重制限を行なつている中小橋は,その大半を改築する(約80%)
  (ニ) 舗装新設
  改良済で,現在日交通量概ね500台以上の区間または気象条件,土質等のため砂利道としては極めて維持困難なカ所を舗装する。
  なお,今後5ヵ年間に改良される区間についても,上記とほば同じ基準によつて舗装する。(今後改良の約35%)
  (ホ) 修  繕
   修繕(特殊改良,災害防除等を含む以下同じ)については,特に緊要なケ所について実施する。
ロ 二級道路
  (イ)道路改良
   普通貨物自動車の交通不能区間の大部分を改良し,交通可能にする。その他の未改良区間については,日交通量概ね200台以上のカ所で交通障害の著しいものを,交通の現況を勘案して改良する。(未改良延長の約12%)
  (ロ) 踏切除却
   日交通量概ね1,000台以上で1日遮断時間2時間程度の危険な踏切を立体交差に改良する。
  (ハ) 橋梁整備
   荷重制限を行なつている長大橋は殆んど全部改築する。
   荷重制限を行なつている中小橋については,その約35%を改築する。
  (ニ) 舗装新設
   改良済で日交通量概ね500台以上の区間または,気象条件,土質等のため,砂利道としては極めて維持が困難なケ所は舗装する。
   なお,今後5ヵ年間に改良される区間についても上記とほば同じ基準で舗装する。(今後改良される延長の約3%)
  (ホ) 修繕
  修繕については特に緊要なケ所について実施する。
ハ 主要地方道
  (イ) 道路改良
   未改良区間のうち,特に交通障害の著しいケ所を交通の現況を勘案して改良する。現に継続工事中のケ所は概ね完成する(未改良延長の約12%)
  (ロ) 踏切除却
   概ね日交通量1,000台,1日遮断2時間以上程度の危険な踏切を立体交差に改良する。
 (ハ) 橋梁整備
   荷重制限をしている長大橋の約半分を永久橋に架け換える。
   荷重制限をしている中小橋については約35%を改築する。
 (ニ) 舗装新設
   舗装は国道と概ね同じ基準にするが,特に人家周密な区間について実施する。
 (ホ) 修繕
   修繕については特に緊要なケ所を実施する。
 二 その他の地方道
   資源開発,産業の振興,重要交通の確保又は都市計画の整備のため必要な道路のうち,緊急を要するものについて各々の緊急の程度に応じて改良,橋梁の架設,舗装並びに修繕を行なう。

(3) 道路整備5年計画の内訳
 イ 総括表 
   (表省略)
 ロ 五ヵ年計画ノ事業ノ内訳
   (表省略)
 ハ 五ヵ年計画ノ財政内訳
   (表省略)

昭和29年閣議決定等資料

昭和29年度予算大綱、閣議決定 1/5
警察制度改正要綱、閣議決定 1/14
人員整理に関する件、閣議決定 1/5
「人員整理に関する件」2.に関する閣議了解事項 1/5
政府職員の特別待命の実施期間延長等に関する件、閣議決定 1/22
行政運営の改善に関する件、閣議決定 1/5
地方公務員の人員整理に関する件、閣議決定 2/12
人員整理に伴う新規採用の制限に関する件、閣議決定 2/19
審議会等の委員を任命する場合等の内閣総理大臣の承認を廃止する件、閣議決定 2/19
配置転換対策本部設置に関する件、閣議決定 2/19
人事院機構改正要綱、閣議決定 3/5
輸入外貨節約のための国産品愛用について、閣議決定 3/12
公務員制度調査会の設置について、閣議決定 3/30
石炭と重油との調整について、閣議決定 3/30
予備費の使用について、閣議決定 4/16
道路整備5カ年計画、閣議決定 5/20
英連邦軍による日本人及び通常日本国に居住する他国人の日本国内における使用のための暫定労務契約の締結に関する件、閣議決定 6/1
昭和29年度予算の実施について、閣議決定 6/1
国際連合の軍隊により損害を受けた者に対する賠償金等の支給および同軍隊に対する施設の提供等に関する件、閣議決定 6/8
昭和29年6月29日 昭和29年度予算の節約について、閣議決定 6/29
昭和29年6月30日 昭和29年産麦の政府買入価格及び標準売渡価格に関する件、閣議決定 6/30
海外移住に関する事務調整について、閣議決定 7/20
公共事業等による失業者吸収措置の強化について、閣議決定 8/3
昭和30年度予算の編成に関する手続について、閣議決定 8/13
漁船再保険特別会計の特殊再保険金支払についての特別措置、閣議決定 8/31
昭和29年度国家公務員採用試験合格者の採用人員等に関する件、閣議決定 9/21
生産性向上対策、閣議決定 9/24
昭和28年産米の政府買入価格についての追加払に関する件、閣議決定 9/30
昭和29年産米の政府買入価格に関する件、閣議決定 9/30
炭坑失業者緊急対策としての鉱害復旧事業の繰上げ追加施行について、閣議決定 10/5
臨時公共企業体合理化審議会の廃止について、閣議決定 11/16
昭和29年度予算補正大綱、閣議決定 11/23
ビルマ連邦に対する賠償実施要領に関する件、閣議決定 12/24